投資にかかる税金の解説と節税方法

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投資信託債権(個人向け国債)株(証券仲介)外貨のページで、
私は投資で成功するためには「コスト」(入出金手数料、購入手数料、口座管理手数料など)に注目し、
少しでもコストの低い金融機関を選べと説明してきました。
そしてもう一つ、投資をするにあたって忘れてはならないコストが「税金」です。
投資にはさまざまな税金がかかります。しかし節税は可能です。
利益の10〜20%も取られていたのを節税できれば、運用成績は大きく異なってきます。
そこでここでは投資にかかる税金を解説していきます。

※:所得税について一般論的な解説をします。個々の事例について疑問があるときは、
 必ず税務署や税理士に相談しましょう。



所得税の仕組み
所得税は個人が1暦年間(1/1〜12/31)までに獲得した所得に対して課される国税です。
所得税を簡単に図解するとこのようになります(国税庁「所得税の確定申告の手引き」参照)
所得税の計算の流れ

所得には給与所得、事業所得、不動産所得などさまざまなものがありますが、
投資にあたって考えなければならないのは「利子所得」「配当所得」「譲渡所得」「雑所得」になります。
所得区分 分類基準 所得金額の計算方法
利子所得 預貯金の利子、公社債の利子、
公社債投資信託の収益分配金など。
=収入金額
配当所得 株式の配当金、
株式投資信託の収益分配金など。
=収入金額-借入金で株式を購入した場合の利子
譲渡所得
(有価証券)
株式の売却収入。 =総収入金額-(取得費+譲渡費用)−借入金で株式を購入した場合の利子
譲渡所得
(総合短期)
ゼロクーポン債の売却益など。 =総収入金額(損失の場合は相殺可能)-必要経費-50万円
譲渡所得
(総合長期)
=総収入金額(損失の場合は相殺可能)-必要経費-50万円(譲渡所得《総合短期》の50万円の残額)
雑所得 外国為替証拠金取引の収入、外貨預金の為替差益、株主優待券、公的年金など。 =総収入金額(損失の場合は相殺可能)-必要経費-公的年金控除額
雑所得
(先物取引)
取引所為替証拠金取引(くりっく365)の収入。 =総収入金額(損失の場合は相殺可能)-必要経費

このうち、利子所得、配当所得、雑所得、譲渡所得(総合短期、総合長期)は
それぞれ所得金額を算定した後(譲渡所得《総合長期》はその額の2分の1)、給与所得などと合算され、
所得から差し引かれる金額(医療費控除、生命保険料控除、配偶者控除等)を控除した後、
金額に応じた税率をかけて納税額を算出します。
税率は10%〜37%となっています。

譲渡所得(有価証券)は上記のものとは合算せずに直接税率をかけることになります。
証券会社を通した場合の税率は現在10%(所得税7%、住民税3%)となっています。

雑所得(金融先物)も上記のものと合算せずに直接税率をかけます。
税率は20%(所得税15%、住民税5%)となっています。


確定申告義務
所得税が課される所得は確定申告をする義務がありますが、これが免除される特例があります。
これはあらかじめ所得税が源泉徴収されているために免除され、具体的には以下のものがあります
源泉分離課税制度 預貯金の利子や公社債の利子など 20%(所得税15%、住民税5%)
源泉徴収されて終了。
申告はできない。
申告不要制度 持ち株割合5%未満の上場株式の配当、
株式投資信託の収益分配金など。
源泉徴収ありを選択した特定口座での、
株式譲渡益
10%(所得税7%、住民税3%)
源泉徴収されて終了。
ただし申告することもできる。
給与所得者の特例制度 年収2000万円以下の給与所得者で、その年の給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下の場合。 確定申告不要

これらに該当する場合は、申告する必要がありません。
逆にいうと、これらの場合以外に該当するときは、確定申告する必要があります。
以上をまとめると、一番有利なのは譲渡所得と配当所得。
最大でも10%であり、場合によっては申告も不要です。
預貯金の利息などの利子所得は実際には20%源泉徴収されておしまいで、申告もできません。
それに対して雑所得は大きな利益がでた場合、最大で37%の税金がかかってしまいます。
外貨商品は主に雑所得になるので、外貨投資をするときは注意が必要です。
ただし雑所得は書籍やセミナー代を必要経費を引くことができます。領収書を保管しておくようにしましょう。



各金融商品の税金

以下に当サイトで紹介した金融商品の税金について、解説していきます。

預金
対象商品:普通預金、定期預金、外貨預金など
利子の支払を
受けた場合
利子所得。国内銀行からの利子の場合は源泉分離課税されるので申告不要。
外貨預金で
為替差損益が生じた場合
雑所得になり、為替差益は他の雑所得と合算、為替差損は相殺します。源泉徴収は無しで申告が必要、ただし給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下の場合、申告は不要。
ペイオフで
切捨てがあった場合
救済なし。


・マル優
身体障害者手帳の交付を受けているもの、遺族基礎年金又は寡婦年金を受けることができる者などは、
非課税貯蓄申告書・申込書などを提出することで一定の利子が非課税になります。
3つありますので、最大で元本1050万円まで非課税になります。
申告書の提出については銀行等を経由して行いますので、各金融機関にお問い合わせください。
マル優 預貯金(普通預金、定期預金、定期預金など
郵貯のもの除く)
合同運用信託(金銭信託、貸付信託)
有価証券(公社債投資信託など)
元本350万円までの利子
郵貯マル優 郵貯貯金(通常貯金、定期貯金など) 元本350万円までの利子
特別マル優 国債・地方債(国内発行円建てのもの) 元本350万円までの利子


・為替差損益
外貨預金、外国為替証拠金取引などで為替により損失を出した場合、
雑所得内の収益、つまり為替差益、そして老齢年金などと相殺することができます。
だから年末までに大きな為替差益を出している場合、または年金生活者などは、
含み損の出ている外貨預金などをいったん決済し、相殺することで税金を減らすことができます。



・満期一括受取型預貯金
満期一括受取型預貯金とは、利子が満期の時に元本と一括して支払われるものです。
利子は支払われるたびに20%源泉徴収されるので、元の利息の80%しか再投資されません。
しかし満期一括受取型預貯金は利子の支払せずにそのまま再投資されるため、税金分有利になります。



債権
対象商品:個人向け国債、利付金融債、外国債など
利子の支払を受けた場合 利子所得。源泉徴収されて終了。申告不要。マル優の対象となるものあり。
償還損益が生じた場合 雑所得になり、償還益は他の雑所得と合算、償還損は相殺します。源泉徴収は無しで申告が必要、ただし給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下の場合、申告は不要。
売却損益が生じた場合 非課税。売却損は切り捨て。
為替差損益が生じた場合 雑所得になり、為替差益は他の雑所得と合算、為替差損は相殺します。源泉徴収は無しで申告が必要、ただし給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下の場合、申告は不要。
デフォルトが生じた場合 救済なし。


・償還と売却
償還は償還期日まで債権を保有した場合、売却はそれ以前に手放した場合のことです。
発行時の価額、売却時の時価によっては手放したときに売却差損益や償還差損益が発生します。
売却差益の場合は非課税になるため、償還前には一度証券会社などに連絡し、
時価を確認し場合によっては売却することをオススメします。


・ゼロクーポン債
外国債の中にはゼロクーポン債と呼ばれる、クーポン(利子)の無い債券もあります。
これは途中で利払いがなく利子に課税されることがないため、長期投資に向いた商品です。
取り扱いは普通の債権とことなり、償還差益、為替差損益は雑所得、売却損益は譲渡所得になります。
なおこの売却損益は、5年未満なら総合短期で50万円までの控除が、
5年以上の保有で総合長期となり、50万円までの控除後さらに2分の1をかけた金額が給与所得などと合算されます。



株式
対象商品:株式など
配当を受けた場合 配当所得。持ち株割合5%未満の上場株式の配当などは源泉徴収されるため申告しないこともできる。
譲渡損益が生じた場合 譲渡所得になる。損失は利益と相殺が可能。確定申告義務については取引口座を「源泉徴収ありの特定口座」にしている場合に限り、申告不要制度を選択できる。
株主優待券等を
取得した場合
株式発行体が優待券等の発行にかかる支出を利益処分として行っている場合は配当と同じ扱い。費用処理している場合は雑所得。
株式が無価値化した場合 譲渡が発生したとし、譲渡益と相殺が可能。


・配当
一定の配当については申告は選択になります。そこで申告する場合、しない場合のメリットデメリットを見ていきます。
  確定申告をする 確定申告をしない
源泉徴収税額の清算 あり なし
配当控除の
適用
あり なし
定率減税 あり なし
合計所得金額 含む 含まない
国民健康
保険税
保険料算定の基礎に
含まれる
保険料算定の基礎に
含まない

確定申告をすると給与所得などと合算され、超過累進課税が適用されるため、
特にその他の所得の多い人ほど申告をしない方が有利になります。
しかし確定申告をすると配当所得額の10%の配当控除があるため、有利になる人もいます。
なお現状配当金は10%の源泉徴収ですが、平成20年より20%になることになっています。
そうなれば確定申告した方が有利になる人も増えてくるでしょう。


・特定口座
特定口座を活用したメリットは以下のようになります。
なお特定口座の源泉徴収あり・なしは毎年最初の取引までに選択できます。
  特定口座
源泉徴収あり
特定口座
源泉徴収なし
一般口座
確定申告 できる(簡易申告) 義務(簡易申告) 義務
源泉徴収 10%
(所得税7%、住民税3%)
なし なし

特定口座内で管理されていた株の譲渡損は、譲渡益と相殺されます。
この場合でも「源泉徴収あり」を選択していると利益が出たものについて源泉徴収はされているため、
確定申告をすれば還付を受けることができます。
また損失が大きく、譲渡益と相殺しきれない場合は他の口座の譲渡益と相殺され、
それでも損失の方が大きい場合は、3年間その損失を繰り越すことができます。

ですので損失が出たらとりあえず確定申告はすべきと理解しておくべきです。
なお配当については特定口座の管理外になります。

基本的には特定口座(源泉徴収あり)を選んでおけば問題ないとおもいます。
ただし頻繁に株などを取引し、かつ源泉される10%分も年末まで有効に投資したい、
という人は源泉なしの特定口座を選びましょう。




投資信託
投資信託の税金は、公社債投資信託の場合は債権に、
株式投資信託の場合は株に準じます。

公社債投資信託
収益の分配を受けた場合 利子所得。源泉徴収されて終了。申告不要。マル優の対象になるものあり。
償還・解約
(解約請求)
償還差益が発生した場合は利子所得。償還差損の場合は切り捨て。
譲渡
(買取請求)
譲渡益が発生した場合は非課税。譲渡損の場合は切り捨て。

株式投資信託
収益の分配を受けた場合 配当所得。扱いは株式の配当と同じ(ただし配当控除の計算は異なる)。なお「特別分配金」については非課税。
償還・解約
(解約請求)
償還差益が発生した場合は配当所得。償還差損の場合は譲渡所得で、他の譲渡益と相殺可能。特定口座での処理あり。確定申告で繰越控除あり。
譲渡
(買取請求)
譲渡益、譲渡損いずれも譲渡所得。譲渡損は他の譲渡益と相殺可能。特定口座での処理あり。確定申告で繰越控除あり。

・解約請求・買取請求
投資信託の場合解約請求と解約請求があります。
公社債投資信託の場合は買取請求の場合非課税になるので有利になります。
株式投資信託の場合は、譲渡損が出ている場合は買取請求、
損失がまったく無い場合は有利なほうを選択、になるかと思います。


・毎月分配型投資信託
毎月分配金がもらえる投資信託が人気です。
しかし分配は受けるとその時点で利子所得/配当所得となり課税されます。
再投資する場合は税金を引かれた後の金額になるため、
長期投資で考えると分配金がないものに比べて運用成績は落ちます。
長期投資なら分配金のないものを選択するようにしましょう。



外国為替証拠金取引
外国為替証拠金取引は為替差損益とスワップを含めて雑所得になります。
損失は利益、さらに老齢年金などと相殺できますが、相殺しきれない分は切り捨てになります。
また雑所得なので、マネー雑誌代金や投資顧問料等は場合によっては必要経費として控除できます。


取引所為替証拠金取引(くりっく365)
くりっく365については、上記とは取り扱いがことなります。
他の金融先物取引などと損益通算後20%の申告分離課税になります。
どんなに利益を出しても20%しか課税されないため、高所得者ほどくりっく365を選択した方が有利になります。
また通年でマイナスの場合も確定申告をすることで3年間に限り繰越をすることができます。



※:ここでは所得税について一般論的な解説です。個々の事例や申告方法について疑問があるときは、
 必ず所轄の税務署や税理士に相談しましょう。


参考文献等
国税庁ホームページ
国税庁タックスアンサー

日本税理士会連合会
図解Q&A 金融商品税金ガイド―運用コンサルティングの必須知識★オススメ★
 菅井聡著 近代セールス社 1890円
株の税金―確定申告マニュアル〈2006〉
 日本経済新聞社 1575円

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